薬剤師になるには、大学を卒業後、国家試験に合格することが必要になります。
薬剤師は、医薬品全般に関して深い知識を持つ「薬」の専門家です。
厚生労働省の発表によると令和4年12月31日時点で、全国の薬剤師の届出数は323,690人で、そのうち男性は124,183人、女性は199,507人となっています。
大学で学ぶ内容や国家試験の合格率についての解説です。ぜひ、参考にしてください。
薬剤師になるには、6年制の薬学部や薬科大学で薬学教育課程を修了し、その後、卒業者のみが受験できる薬剤師国家試験に合格する必要があります。
文部科学省が提示する薬学教育モデルのカリキュラムをもとに、以下の内容を卒業時までに学びます。
これらの知識や技能を修得し、薬剤師として社会で活躍できる能力を身に付けることを目指すのです。
5年次には、病院と薬局で各11週間、合計22週間の実務実習を行ないます。実習先は、薬学生の指導を行なえる認定実務実習指導薬剤師が在籍する、自分の地元の医療機関で行なわれることが多いです。
この実習に参加するためには、4年次に薬学共用試験に合格する必要があります。薬学生が実務実習を行なうには「薬学共用試験で一定の基準以上の成績を収めること」が必須条件だからです。
薬剤師国家試験は毎年2月に2日間実施され、全345問が出題されます。
文部科学省の発表によると、2024年の合格者数は受験者13,585人のうち9,296人で、合格率は68.43%でした。
このうち、6年制の新卒者の合格率は84.36%、過去に不合格となり卒業後に再受験した既卒者の合格率は42.42%となっています。
就職先が決まっていたにもかかわらず国家試験に不合格となった場合、内定を取り消されたり、次回の試験まで入社を待ってもらえたり、事務員として雇用されたり就職先によって対応はさまざまです。
国家試験の合格率は大学によって異なるため、大学を選ぶ際には合格率を確認することをおすすめします。
薬学の授業では、体の構造を学ぶためにマウスの解剖実習が含まれており、それに耐えられず薬剤師を目指すのを諦めて退学する学生がごく少数ですが存在します。
薬の効能効果は、体の構造や機能を知ることで初めて正しく理解できるものです
薬剤師の資格を取得するまでに6年という長い期間が必要ですが、人々の健康維持や病気の治療を支える素晴らしい職業だといえます。