薬剤師は合格すれば生涯安泰といわれるほど、就職や転職に役立つ国家資格です。
過去3年間(106~108回)の合格率は68~69%で推移しています。
合格すれば薬局やドラッグストアをはじめ、病院や企業への就職の道もあり、転職する際も選択肢の幅が広がる資格といえるでしょう。
この記事では薬剤師に合格する目安の点数や基準をご説明します。
薬剤師試験合格を目指す方に役立つ内容ですので、ぜひ読んでみてください。
以前の合格ラインは「得点率65%以上」の絶対評価でした。
しかし医道審議会などが医療現場の現状を踏まえて試験の基本方針を見直し、101回目からは相対評価に変更となっています。
現在(108回時点)は、下記2つの基準で判断しています。
1.総得点(問題の難易を補正して得た点数)において、標準偏差と平均点を用いた相対基準で設定した得点以上をとっていること
2.必須問題において、全問題への配点の70%以上をとり、さらに各科目それぞれの得点が配点の30%以上をとっていること
なお、過去3回の合格点基準点は下記のとおりです。
・第108回:470点
・第107回:434点
・第106回:430点
また、上記の合格基準は、医道審議会が約4年を目途に見直しをしています。
これは医療業界全体を取り巻く情勢が日々変化しており、変化を踏まえたうえで薬剤師資格を有する者としてふさわしいかを判断するためです。
大幅な変更が行われることもあるため、薬剤師試験を受験する際は、受験要項や出題基準を確認することが大切です。
第104回試験から、禁忌肢(選択すべきでない選択肢)が導入されています。
合格点に達していても基準以上に禁忌肢を選んでしまうと不合格になる仕組みです。
どのくらい間違えると不合格になるのか、どの科目に含まれているのかは明らかにされていません。
禁忌肢が導入された理由は、薬剤師には高い倫理観や医療人としての使命感が求められており、誤った知識や考えを持っていないか識別するためです。
具体的には以下のような内容が禁忌肢として設定されています。
・公衆衛生に甚大な被害をおよぼす内容
・倫理的に誤りのある内容
・患者に対し、重大な障害を与える危険性がある内容
・法律に抵触する内容
意図せず偶発的に選んでしまった場合に不合格とならないよう、問題数や問題の質に配慮されたうえで作問されています。
現場での実習や日頃から医療人としての自覚をもって学んでいればそこまで心配いりませんが、問題を解く際は禁忌肢もあることを念頭に置いて、問題文をよく読んで臨みましょう。
薬剤師試験の合格点は相対評価制度をとっており、受験する回によって合格点が違います。
また医道審議会などが、およそ4年ごとに試験のあり方や基準の見直しをしています。
そのため、受験する際は受験要項や出題基準の確認をすることが大切です。